病気をして母の強さを知った
『100年続く老舗寝具店の店主が教える最高の眠り方』にも書きましたが、中学1年で入院生活をした場所は小児病棟でした。同室になったのは、6歳くらいの男の子でした。テンカンという病気で、発作が起こるとアワを吹いて倒れるというものです。
6歳くらいだと、お母さんが子どもと幅90センチにも満たないベットで添い寝しながらの病院生活です。今思うと、精神的にも肉体的にも、負担は大きいのではと思います。
ある日、男の子のお母さんから、「私ね、この子を産むって決めて産んだの、後悔はしてないのよ」って話をしてくれました。話を聞いていくと、出産をする時にへその緒が腐っていて、病院の医師からは産むか産まないか選択をさせられたそうで、今まで元気に暮していた私には、心を揺さぶられた話でした。どういえば、どう言葉をかければいいかわからない・・・でも、男の子のお母さんは笑顔で私につづけて話をしてくれ、なんだか母の温かさを感じたのを、30年近く経った今でもおぼえています。
体の都合の悪い時は、抱っこしてもらえば安心する、やっぱり母親、父親、人は人に助けられます。大人になれば、辛いことや楽しいことを、多くの人に聞いてもらうということが大切なのではと思っております。辛かったら我慢せず、話せばよい、それが私が病気をして学ばせてもらったことです。